目的に合わせて、各種ゲージや測定機などを利用して製品もしくは半完成品の良し悪しを判断もしくは検証するために使用する工具を検査治具と呼びます。誰でもが簡単に正確に製品の良し悪しを判断できる、このようなメリットがあります。ノギスは長さや厚みなどの寸法測定で利用する測定機器の一つになるのですが、プラスチックや金属などのような硬い材料の測定は簡単にできるし誰が行っても測定誤差は少なめです。しかし、ゴムなどのような弾力性を持つ材料はコツが必要で、熟練者と不慣れな人では測定誤差が生じやすくなります。
ノギスで寸法を測るやり方は、量産品の中でもロット数が少ない場合に有効ですがロットが多い部品などの場合はノギスで全数の検査を行っているのでは効率が悪くなりますし、作業者の技量が結果に出てしまうので検査そのものの精度が悪くなってしまうわけです。ノギスを使うよりも、検査治具で代用することは検査工数の大幅な削減効果と作業者の技量の差などに関係なく正確にかつスピーディーに検査工程をカバーできます。検査治具は、測定機器で計測しなければならないものだけでなく見た目や穴の数、ピンの数など本来目視で検査をしていたものも代用できるので、検査員のスキルだけでなく目の疲れによる見逃しや作業中眠くなるなど集中力が欠けてしまったときに生じやすい工程飛ばしなども予防することができます。さらに、検査治具を使うことで品質価値を高められるなどの最大のメリットもあります。